メニュー
メニュー

未曽有の危機にどう立ち向かったのか ナルネットの『コロナ戦記』(後編)

企業情報 お役立ち情報

新型コロナ世界的感染拡大後の激動の2年間を振り返る社内座談会。ナルネットが真剣にコロナと向き合ったのは、提携工場様へのお支払いを絶対に滞らせてはならない、お問い合わせにもしっかり対応していかなければならない、という一心からでした。

(参加者)
鈴木隆志(代表取締役社長)
永冶健(執行役員 MT推進部 部長)
大賀正寛(執行役員 財務経理部 部長)
蔭山進二(情報システム部 部長)
伊藤有里子(財務経理部 マネージャー)
森本雄亮(カスタマーサービス部 西日本サービスグループ グループマネージャー)
加藤浩太(人事総務部 人事総務グループ グループマネージャー)

 

失われたコミュニケーション

鈴木
東京支店の閉鎖や在宅勤務の推進、マイカー通勤への切り替えなど、感染リスクを下げるための様々な対策を実施して、「とりあえず一段落かな」と思っていたものの、やがて感染とは関係がない部分で、別の課題が浮上してきました。

―大賀
スタッフ間のコミュニケーション問題ですね。仕事でわからないことがあったとき、コロナ禍以前であれば、隣に同僚がいたり近くに上司がいたりして気軽に相談できましたが、リモートワークの推進で出来なくなりました。それが原因でストレスを溜め込んでしまう人が意外と多かったようです。

―森本
在宅勤務中にトラブルに見舞われたとしても、とりあえずは自分一人で対応しなければならないですからね。そういったことの積み重ねで気分が落ち込んでしまうスタッフもいたようです。ナーバスになったスタッフへのケアに気を遣いましたが、若いマネージャーの中には、どう対応していいかわからずに悩んだ人も多かったみたいですね。z

―鈴木
当初は在宅勤務に反対の人も多かったですからね。

―伊藤
会社に出勤したときは、光熱費も含めて会社のリソースが使えますが、在宅勤務時はすべてご自分のものを使うことが前提となり、費用負担などの面で不透明な部分が多く、導入当初は不満が多かったことを覚えています。

―鈴木
ところが、いざ在宅勤務が始まってみたら、会社に出かける支度をしなくていいし、通勤も必要ないし、ということで、現在では逆に好評です。けれども、その裏返しとしてコミュニケーション不足の問題が出てきたと。

―大賀
スタッフ間の親睦を深めることを目的に定期開催していたイベント、たとえば3か月ごとに実施していた『カレーの日』は自粛を余儀なくされました。

―伊藤
炊きたてのご飯で、みんな集まって昼食にカレーを食べる、というイベントでした。他にも、ハロウィンやクリスマスにも社内イベントを開いていましたね。

―永冶
コロナ禍以前は、社員旅行にも行っていましたからね。一連のイベントがなくなったことが影響しているのか、社員間の人間関係がうまくいかないケースが、特に2020年度中は多かったことを思い出します。

―鈴木
イライラが募るのは仕方ないですよね。送別会も歓迎会も忘年会も開催できなくなりましたから。どのみちマイカー通勤だから飲み会はダメですが、いずれにしろコミュニケーションの機会が失われてしまったことによる反動が起きました。
いわゆる『飲みニケーション』を悪しき慣習と捉える向きもありますけど、かつてはそれがガス抜きになって、良い効果をもたらしていたように思います。ナルネットは良くも悪くも「コミュニケーション」をベースとして成り立っていたんだな、とつくづく感じました。

―蔭山
コミュニケーション不足を少しでも解消するために、2021年12月にクリスマスイベントを開催しましたよね。

―大賀
あれは盛り上がりました。

―加藤
本当は「カレーの日」を復活させたかったのですが、感染への配慮から断念し、みんなでカップ麺を食べるイベントを企画しました。クリスマスプレゼントの抽選会をYouTubeでオンライン配信するなど、新たな試みをスタートすることもできたので成功だったと思います。動画配信の設備を整えて、社内外に対する情報発信の体制を作りましたから、今後は社外とのコミュニケーションにも役立てていきたいと思っています。

―永冶
最近の若者には、『飲みニケーション』を含む社内コミュニケーションをあまり歓迎しない人も多いという話を聞くことがありますけど、そういう人にも配慮しながら、どうやってスタッフ間、あるいはお客さまや提携工場様とのコミュニケーションを充実させて良い職場づくりを進めていくか、これからもいろいろ試行錯誤しながら考えていく必要がありますね。


ステークホルダーとともに“禍”を乗り越えていく

―大賀
コミュニケーションと言えば、営業訪問や表敬訪問を控えたことによって、提携工場様やお客様とのコミュニケーションも激減しました。一方で、リモートワーク実施のために情報システムをリニューアルする必要が生じて、その作業のために外部から多くの方が来社するようになりました。
―鈴木
情報システム部のように、外部と接触する機会の増加が見込まれる部門を本社機能と切り離す必要があると考え、どうすればいいか知恵を絞りましたね。たまたま本社から歩いていける距離のところに、以前事務センターとして使っていた空きオフィスがありました。お客様と対面で折衝する営業部門、そして情報システム部の機能をそこへ移管することを決め、蔭山部長や伊藤マネージャーに作業を進めてもらいましたが、あのときはいろいろ大変だったでしょう?
―森本
最初は、電話もなければネット環境も整備されておらず、何もないスペースがただガランと広がっているだけでしたからね。あそこに新しくオフィスを立ち上げるなんて、想像もしていませんでした。
―蔭山
僕自身は、大変だったという記憶はあまりないですね。本社から離れることで部員のモチベーションが下がることを危惧していましたが、それも杞憂に終わりました。「以前よりも仕事環境が良くなった」と言って、喜んでいるほどです。
―鈴木
あの何もなかった空間が、今では「MTセンター」という立派な施設に生まれ変わったから、ビックリだよね。蔭山部長も、のびのび仕事ができているようだし(笑)。
―永冶
これまで社内の感染対策の話ばかりしてきましたが、それにはもちろんスタッフとその家族を感染から守るという意義がありました。でも元をたどれば、もし社内でクラスターでも発生しようものなら、サービスの維持・継続ができなくなって多方面にご迷惑をおかけしてしまうから何が何でも感染を防がなければならない、という悲壮感めいた決意がありましたよね。
―鈴木
そうですね。お客様はもちろんのこと、特に提携工場の皆様には、コロナ禍にも関わらず弊社からの依頼を請け続けていただき、本当に感謝しています。
―森本
お問い合わせを受け付ける部門などでは、感染対策のため縮小体制で業務を実施せざるを得なくなった影響で、十分にご要望やご依頼に応えることができず、結果的にお問い合わせ件数が以前より増えてしまうという事態となり、「ご迷惑をおかけしているな」と心苦しく思うこともありました。とはいえ、2020年よりは2021年、2021年よりは2022年というふうに、年を追うごとに状況は良くなってきています。
―蔭山
コールセンターの業務を在宅で遂行できる仕組みも整えましたので、ご迷惑をおかけする頻度は今後どんどん減っていくと信じて、スタッフ一同、尽力しているところです。
―鈴木
ナルネットとしては、提携工場様へのお支払いを絶対に滞らせてはならない、お問い合わせにもしっかり対応していかなければならない、という一心で、精いっぱい感染対策に努めてまいりました。ご協力いただいた皆様には、この場を借りて厚く御礼申し上げたいと思います。ナルネットは引き続き感染対策の徹底でスタッフの心身を守り、サービスの維持・強化に努めていく所存です。
―参加者一同
今後とも、ナルネット・コミュニケーションズに変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

関連記事

未曽有の危機にどう立ち向かったのか ナルネットの『コロナ戦記』(中編)

(掲載日)2022年3月29日

アーカイブ